スペランカー難易度 ★★★
 良くも悪くも有名なアクション。本当は名作なんです。


レビュー
どんなゲーム?
 プレイヤーは探検家となり、地下にある宝の山を目指します。道中にあるアイテムを駆使して各ステージにある鍵を集めるのが主な目的。
ここがポイント
・気の緩みが死を誘う
 とにかく死にやすいことで有名な本作。ですが、それはちょっとした気の緩みに過ぎません。最も多い死因が落下によるもので、特にロープからのジャンプで失敗することが多いです。
 これを防ぐにはジャンプと十字キーの同時押しを意識すること。ロープやはしごにつかまっている状態は、あくまで一マス分の足場に立っていると考えましょう。

・敵は障害物に過ぎない
 デーレーレーレーデーーーレレレレ。いきなり曲が変わったことに焦り、転落死という体験をしたことはないでしょうか。一見するとどこからともなく現れるゴーストは恐怖の存在です。しかし、それは杞憂にすぎません。ゴーストは約画面半分の距離になれば銃が効くので、1週目であれば落ち着いて退治できます。つまり敵はゴースト本体ではなく、それに恐怖する自分の精神状態にあるのです。
 ついでにもう一匹の敵であるコウモリについて。コウモリはフラッシュで倒すことが可能なのですが、一つだけ注意があります。それはコウモリに直接当てるのではなく、コウモリが飛行している周辺で使用すること。これはコウモリを撃退した時に落下する爆発を避けやすくするためです。もちろんフラッシュを使わず糞を避けることも可能ですが、糞の判定は意外にしっかりしているので油断は禁物。
感想
 操作感覚さえ掴めれば簡単に攻略できるタイトルだと感じました。というのも、序盤と後半の難易度の差が少なく、プレイ時間も短いので、波に乗れば一気にクリア出来るからです。
 ただ、一番の見せ場が死ぬことであるのもまた事実。特に仲間内でのプレイは、クリアよりもいかに死ぬかが重要になります。魅せる死を追求することこそスペランカーの在るべき姿なのかもしれません。
結論:スペランカーとは、死ぬことと見つけたり・・・


基本テクニック&注意
ステージをクリアすると1UPします。


ある漢の探検記(ちなみにノンフィクションです)
 今日は久しぶりの探検だ。前に踏破したことがあるとはいえ、もう何年ものブランクがある。まぁ、やるからにはクリアを目指すだけだ。
 スタートを押すと馴染みのBGMが私を迎えてくれる。やはり探検とは心躍るものだ、と再認識させられた。
 出だしは良く、ゴーストも難なく撃退。まだまだ現役でいけるじゃないか。
 最初の隠しアイテムは得点2倍。薬でなかったことに私は落胆した。とにかくあのドーピング感覚がたまらない。特に人外のジャンプ力は虚弱な探検家にとって自殺行為になりかねないのだ。次に期待するとしよう。
 それは間もなく訪れた。薬だ。高速になったことで気分もハイになる。そして死。ここからリズムが狂い、立て続けに2回死。なんとここでGAMEOVERになってしまった。そう、今や1面すら突破出来ない程に衰えていたのだ。呆然としながらも、ここで終わるわけにはいかないと己に活を入れる。さぁ、ここからが本当のスタートだ。
 先ほどの経験を活かし、なるべく無理をしないように努める。蝙蝠の左上にあるダイアを忘れずに入手。トロッコもあえて慎重を期して望む。まぁ、ここまで腕が落ちればリハビリも必要だろう。
 そして2面への扉が開く。

 軽快な曲と共に開かれた次なるステージ。手拍子の入ったBGMが更に調子づかせてくれる。私もコントローラーさえ無ければ間違いなく一緒に手拍子をしていただろう。それほどのパワーがこのメロディーにはあるのだ。
 2面の難関といえば後半にあるロープ渡りだ。簡単に説明すると行きは簡単だが帰りが難しいという仕組になっている。ジャンプする際に天井へ当たらないよう、ロープの先端ぎりぎりまで下りなければならない。ここはドット単位の精密な作業を要するのだが、幸運にも体が覚えていたらしく、あっさりとクリアすることができた。少し勘が戻ってきたのか、今のところノーミスである。
 そして3面の扉が開く。

 3面といえばやはり舟だろう。当時は非常にセンセーショナルな印象を持ったものだ。やはり土一色で飽きた頃に突然現れる水の青が映えるのだろう。ここで一時の癒しを満喫したのは言うまでも無い。こういった美しい情景もまた探検の醍醐味である。
 後半のエレベーターが面倒だったことを、目の当たりにして思い出す。強攻策に出るも無駄に命を散らすだけだったので大人しく従うことにした。ダイアも取り、道中はとても順調に進む。
 そして、ファイナルステージへの扉が開く。

 開始早々にそびえ立つピラミッドが、今までとは違う雰囲気を醸し出していた。その姿にコントローラーを持つ手も力が入ると言うものだ。
 ここまで来たからには是が非でもクリアをしたい衝動に駆られる。完全に動きを取り戻した私にもう怖いものは無くなっていた。ただ、薬だけはあの一件以来手を出さないようにした。薬物依存は人間やめますか? と選択を迫られると聞いたことがある。あれはきっと若さ故の過ちがさせたことなのだろう。
 恐ろしい程に快調な探検はついに最後の難関を迎える。はしごジャンプである。一度はまれば命がいくつあっても越えられない、まさに砦。スペランカーにおいてはラスボスと呼べる存在だ。緊張の中、一回目のジャンプを試みる。……成功だ! 
 扉の奥に進めば感動のエンディングである。眼下に広がる宝の山が、私を称える様に優しい輝きを放っていた。

 探検を終えて、一番の収穫は改めてスペランカーの面白さを体感できたことだ。
 最後にプレイ中、ふと『カイの冒険』が頭をよぎった。何故だろうねぇ……。

――終。


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