感想(ネタバレあり)
ゲーム性:
 戦闘はスタンダードなものでしたが、交代がいつでも出来るのは良かったと思います。 交代することで全員にAPが入るのは大きく、キャラ毎の成長の偏りが極端にはならないのがポイントですね。
 スフィアシステムは今までのLVという概念に代わる成長の新しい試みでした。これは結構いい感じだったと思います。ただ、後半に入手できる最強魔法やアビリティが全て表示されているので、アビリティを得た時の新鮮味は無くなってしまいましたが。
音楽:
 印象に残るのはやはり「祈りの歌」ではなくOPムービーで流れてる曲です。スローテンポなので哀愁の雰囲気を引き立たせており、とても良かったです。使いどころも見せ場でしたしね。
グラフィック:
 一番のウリはここです。映画並みの演出でRPGを創る。FFが当初から理想としていた形が現実となったように思います。初めてプレイした時はすごく違和感がありました。ゲームなのに映画のような錯覚。慣れるまでは本当にフワフワしていました。
 唯一欠点を挙げるとすれば、演出が長すぎて冗長気味なこと。一つ一つがしっかり創られているため、飛ばせないシーンだとどうしてもイライラしてしまうことがありました。一番は召喚獣の演出でしょうか。あれのせいでよく発動をためらったものです。そういうこともあってかシナリオも何となく短いような気がします(プレイ時間は長かったが)。
キャラクター:
 主人公ティーダを始め、格キャラクターも特に悪い点は見当たりませんでした。これだけのクオリティになると下手なデフォルメは浮きますし。
 唯一気になったのはルールー。始め見た時はかなり性格きつくてがさつでS全開なイメージでしたが、実際はすごく礼儀正しくティーダの一番の理解者だったので衝撃を受けました。あの格好で普通だと違和感あるなぁ……。
シナリオ:
 想像していたより良かったです。PS以降は本当に目も当てられない感じだったので、いい意味で裏切られました。ファンタジーという幻想世界をこのクオリティでうまく表現出来ていると思います。コテコテのものをやっても、このCGでは逆に嘘っぽく見えるでしょうし。
 「死」がテーマになっているこの話。召喚士や召喚獣の設定、シンの存在、異界送りと非常に完成度が高いです。物理的な死だけでなく精神的な死を設けたことで、より深みを増しています。
 そして主人公のティーダの設定。1000年前からワープしてきたことでプレイヤーとのシンクロもし易くなっています。最後の別れ(消滅)も後腐れなく、泡沫の夢のごとくと思わせる演出は見事でした。
総評:
 総合の評価としては、やって良かったと思えるものでした。PS以降では最も良かったです。
 これからの課題としては、いかにテンポを良くするかでしょう。これはゲームなのですから演出過多でストレスが溜まるのはよろしくないかと。一回見たイベントは飛ばせるとか、ボタン押したらスピードアップするとか、そういう細かい部分に期待したいところです。
 そういえばFFのテーマって今回流れなかったな……まぁ、これには合わないか。


戻る